教育理念・方針
建学の精神
明星学園(明星中学校・明星高等学校)は、カトリック学校です。では、カトリック学校とはいったいどんな学校のことでしょうか。
キリスト教には、ローマ・カトリック教会、東方正教会(1054年、カトリックより分離)、プロテスタント教会(16世紀、カトリックより分離)と大きく三つの流派があります。そして、カトリックとは、「普遍的」、「公同的」と訳され、さまざまな時代や民族の文化にあっても、唯一不変の「キリストの教え(福音)」を具現することを意味しています。その責務を担うカトリック教会は、ヴァチカンのローマ教皇(法王)の下、全世界に広がる信徒たちの信仰によって支えられているのです。
さて、このようなカトリック教会には、清貧、貞潔、従順の誓願(誓い)を通して、「キリストの教え」に従おうとする修道生活者の集団つまり、「修道会」が存在します。日本で有名な話といえば、16世紀の「イエズス会」の宣教師フランシスコ・ザビエルが挙げられるでしょう。
本校は、カトリック修道会「マリア会」によって設立された「キリストの教え」による教育観・人間観を大切にする「カトリック学校」です。そして、キリスト教では、人間は「神様によって創造されたもの」、「理性をもって行動する存在」であり、一人ひとりがかけがえのない、大切な存在であるとされています。ですから、一世紀以上前の本校創立者・初代校長のウォルフ先生がおっしゃった「明星の生徒は神様から預かった大切な生徒たちだから、彼らの成長のためにあらゆる努力を惜しまない。」という教育理念を今も実践しているのです。そして、宗教教育を通して、人間としての成熟を願うものでもあります。
また、「明星」という学校名は、聖母マリアに由来します。「明星(メイセイ、一般にはミョウジョウ)」は、太陽系の惑星「金星」のことを指し、明るく、夜明けや夕方にはひときわ輝く印象的な星であるがゆえに「明けの明星」「宵の明星」と呼ばれ、昔から「道しるべ」「航海の目印」など人々を導く手助けの役目を果たしてきました。つまり、マリア様は神様イエス・キリストへと導く御方、慈しみ深い人生の同伴者と「明星」になぞらえ、「学園の保護者」として仰ぎ、慕うのです。ですから、本校の屋上にある「聖母マリア像」は、いつも温かく優しい眼差しで「明星」に学ぶ生徒たちを見守っておられます。
明星教育
- ◆明星の教育目標
- キリストが人びとに示した理想的な人間像を、生徒の一人ひとりの中に実現すること。
- ◆理想的な人間像
- 神のみ前に自らの弱さを認める謙虚さを持ちながら、絶えず自分の人格の陶冶を心がけ、同時に他者の尊厳を認め、そのためには、自分に不利な事柄もあえて引き受ける寛容さを持つ人間のこと。
- ◆学園の標語
- 『地の塩、世の光』(マタイ福音書5章)
“よき明星紳士たれ!” - ◆教育方針
- 生徒が理想社会の実現のために、社会のあらゆる分野でその核となって指導的な活動をなし、他者のために働きえるような人材となるよう指導する。
- 全人教育、人間の内面を重視した心の教育(宗教情操教育を通して)。
- 生徒の必要とする高度な学識を身につけさせる。
- 生徒一人ひとりは神様(保護者)から預かった大切な存在。だから緻密で厳格な指導や配慮をする。